組み込みUML eUMLによるオブジェクト指向組み込みシステム開発
組み込みUML―eUMLによるオブジェクト指向組み込みシステム開発 (OOP Foundations)
- 作者: 渡辺博之,堀松和人,渡辺政彦,渡守武和記
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2002/06
- メディア: 単行本
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eUMLのeはEmbeddedで、訳すと「組み込みUML」です。
これは、組み込みの現場に特化した開発手法をまとめた本です。
どのように要求分析〜テストまで行っていくのか、その一例がかかれています。
そのため、全体の概要を知ることができます。
また、組み込み開発においてどのようにUML・オブジェクト指向を活用していけば良いのかが書かれています。
そのため、組み込み開発でオブジェクト指向を取り入れた場合に、どのようにUMLやオブジェクト指向を利用すればよいかという点で参考になる本だと思います。
ただ、どの項目も説明が薄いように思いました。
ですので、各フェーズごとに特化した書籍もあわせて読むとより、理解が深まると思います。
オブジェクト指向は幅広く知識を必要とする技術です。
私の場合は、勉強する上での”とっかかり”になる本となりました。
どのような人にオススメなのか
オブジェクト指向入門者*1〜初心者*2の間にいる人・初心者・組み込み開発時のオブジェクト指向開発の方向性を知りたい人などの方々に向いているのではないかと思います。
この本では、各フェーズごとに関して深くは書かれていないため、オブジェクト指向の全体が良くわからないひとが、オブジェクト指向開発の全体像を知るのに役立ちそうです。
また、オブジェクト指向の流れの全体を読むことによって、自分がどの部分の理解が足りないのかが分かると思います。
それをきっかけに次の勉強ターゲットの指針に出来るのではないかと思います。
私がこの本から学んだこと
開発プロセス全体の開発の流れ
私が、この本を読んだのは、オブジェクト指向がどんなものなのか理解していなかった時期でした。そのため、全体の流れと成果物がわかりました。
ただし、開発プロセスは、すべてのプロジェクトに対応できるものではありません。
そのため、この本を読んだ当時に担当していたプロジェクトと、いくつものズレがありました。
ですので、「このやり方が唯一だ」と考えるのではなく、あくまでも参考にする程度がいいのかなと思います。
開発プロセスは、プロジェクトごとにカスタマイズしていくものだと思います。
分析クラス作成時にはDB設計知識が役に立つ
クラス図を作るうえで、情報(データ)が重要ということは聞いていたのですが、この本を読むまではピンときていませんでした。
この本では、分析モデルを作る方法のひとつとして、ドメイン(分析対象領域)にある情報をDB設計のように、第一正規系→第二正規系→第三正規系というように、情報を整理していきます。
そして、途中成果物として出てきたクラス図は「これ、ほとんどE-R図だろう!」といったモデルが登場しました。
このとき、オブジェクト指向分析を行ううえで、DB設計の知識は非常に役に立ちそうだということを理解しました。
※まぁ、もともとUMLのクラス図はE−R図を元に作られているので当然といえば当然なのかもしれません。