あぶないひと

先日、会社に出勤したら、私の席からほど近くの機能までは空いてた席に、見知らぬ人が座ってノートパスコンを広げていた。
見た目は普通のスーツを着ているサラリーマンだが、ひとつだけ違うところがあった。
周りには人が居ない朝の静かなオフィスで、一人で、なにかしゃべっているのだ。


これは、どう考えても”あぶないひと”です。ほんとうにありがとうございました。
と、これからの仕事に不安を覚えた。

ガクガクブルブル震えながらその人を聞き耳をたてつつ横目で観察していたところ、どうやら話している内容は「人材がどうだ」とか「コストがどうだ」といった内容だった。そこで、気づいたのだが、その人は方耳にイヤホンをしていた。


なるほど。
謎はすべて解けた!
犯人はアンタだ「イヤホンマイク」!!


と。要するに、その人はイヤホンマイクを使って、携帯電話で誰かと話していただけのことだった。


とにかく、これからの仕事を脅かす存在が居なくなったのが分かってほっとしつつ、殺人事件の犯人を暴いた名探偵気分を味わいながら、イヤホンマイクがあまり使われない理由が分かった気がした。
もし、自分がイヤホンマイクを使うときは、回りの人から”あぶないひと”と思われてもしょうがないと諦めてから使うようにしたい。